「転職サイトの口コミを見て辞退しました」が増えている
― 企業が想像している以上に、求職者は口コミを見ている ―
採用担当者の中には、
「口コミは一部の人しか見ていない」
「結局は条件で応募される」
と考えている人もいます。
しかし、クチコミ研究®が100事例を分析して見えてきたのは、
求職者は企業が思っている以上に、
“口コミを参考にしている”
という現実でした。
しかも現在は、
単に見るだけではありません。
口コミを見た上で、
- 応募をやめる
- 面接辞退する
- 内定辞退する
ケースが、実際に増えています。
求職者は、「求人票」だけを信じていない
以前は、
求人広告や企業HPの情報が中心でした。
しかし現在の求職者は、
- OpenWork
- 転職会議
- Google口コミ
- SNS
- YouTube
などを使い、
“社員側のリアル”
を確認しています。
特に多いのが、
「求人では良さそうだったので、口コミを調べた」
という流れです。
つまり口コミは、
応募後ではなく、
応募前の“確認作業”
として見られているのです。
一番見られているのは、「悪評」そのものではない
ここは企業側が誤解しやすいポイントです。
求職者は、
「悪い口コミが1件あるから辞退する」
わけではありません。
実際には、
- 同じ内容が繰り返されている
- 具体性が高い
- 現実味がある
- 最近の投稿が多い
といった場合に、
信頼度が一気に上がります。
例えば、
- 「人が次々辞める」
- 「話が違った」
- 「管理職が現場を見ていない」
- 「サービス残業前提」
などが繰り返されていると、
求職者は、
「これは個人の不満ではなく、会社の問題かもしれない」
と感じ始めます。
特に影響が大きいのは、「入社後ギャップ系口コミ」
100事例の中でも、求職者への影響が強かったのは、
- 求人内容と違う
- 面接説明と違う
- 配属後に条件変更
- “風通しが良い”は建前だった
など、
“話が違った系”
の口コミです。
なぜなら求職者は、
待遇の厳しさそのものより、
「騙されたくない」
という気持ちを強く持っているからです。
そのため、
“誠実さを疑わせる口コミ”
は、応募率へ大きく影響しやすくなります。
面白いのは、「厳しい会社」でも応募されること
一方で、口コミが厳しくても、
採用できている会社もあります。
その特徴は、
- リアルさがある
- 良い面・悪い面両方書かれている
- 一貫性がある
- “想定内”と思える
ことです。
例えば、
「忙しいが、その分成長できる」
「体育会系なので合う人は合う」
といった口コミは、
求職者にとって“判断材料”になります。
つまり求職者は、
完璧な会社を探しているわけではありません。
むしろ、
「本当の情報が知りたい」
と思っています。
「口コミを消す」だけでは、採用改善につながりにくい
ここで多くの企業が陥るのが、
口コミ対策=削除対策
だけになることです。
もちろん、悪質な誹謗中傷への対応は必要です。
しかし本質的には、
- なぜそう書かれたのか
- 同じ内容が繰り返されていないか
- 現場と採用情報がズレていないか
を見る必要があります。
なぜなら求職者は、
単発の口コミより、
“会社全体の空気感”
を読み取ろうとしているからです。
今は、「企業発信」より「社員発信」が強い時代
現在の採用市場では、
企業がどれだけ良いことを書いても、
社員・元社員の声によって検証されます。
つまり、
「企業ブランディングの時代」ではなく、
“実態が可視化される時代”
になっています。
だからこそ重要なのは、
- 過剰に盛らない
- ギャップを減らす
- 現場課題を放置しない
- 誠実に説明する
ことです。
口コミは、“採用の入口”にまで影響している
以前、口コミは「入社後」に見るものという印象がありました。
しかし現在は違います。
口コミは、
- 応募前
- 面接前
- 内定承諾前
の判断材料になっています。
つまりネガティブ口コミは、
企業が気づかないうちに、
“採用母集団そのもの”
へ影響を与えている可能性があるのです。
そしてこれからは、
口コミを単なる評判問題としてではなく、
“採用インフラの一部”
として向き合う企業ほど、強くなっていくのかもしれません。



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